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深夜理髪店 [近所・仙台]

酒を呑んだ帰りに、床屋に行った。なんだかその非現実さ加減が可笑しかった。
まぁでもそもそも、床屋ってのは日常のなかの非現実、みたいな場所ではあるけれど。

うちのはす向かいに、なんか一種独特な雰囲気を持った床屋があって、いつもそこで髪を切ってもらっている。
ガラス張りの入り口の上には店名を書いた真っ赤なネオンサインが光っていて、店内の調度品は多分みんな古いアメリカもののアンティーク椅子はぜんぶ人力でリクライニングさせる)。ドゥワップが流れていて、なんだか店内のあちこちがクロムメッキ。なんと云うか、そんな床屋だ(理髪店の店主がリーゼントなのはさすがに抵抗を感じるひともいるだろうな。でもこの店の仕立てるリーゼントのために、高速道路に乗って訪れる客がいるのも知っている)。

で、遅くまでやっているのを知っていた。仕事が終わって21時とか過ぎて帰って来ても、まだネオンが点いているから。そろそろ髪を切らないといけない時期なので、会社の宴会二次会から逃げ出した帰り道にちょっと寄って明日の予約だけして帰ろうと思ったら、「このまま切っていったらどうですか」との申し出。

ガラス張りの入り口の向こうはすでに夜の帳の降りた街で、BGMには誰かのうたうドゥワップの「ハッピークリスマス」が流れていて。店主には「呑んでるからやっぱりいつもより体温が高いですね」とか云われたりして。とても手近でお手軽な、でも上等のバーで流れてるような非現実な時間。妙で、可笑しくて、でも心地いい。

と云うか、ひとが手で行う職人仕事みたいなのには、なにかしら贅沢な詩情みたいなものを与えるちからがあるのだなぁ、とか感じた。

で、店を出るときにカレンダーを貰った。赤の地にセクシーなヴァーガ・ガールの図案。
街暮らしの非現実性は、こんなところにぱっくりと口を開けている。


タグ:仙台 近所
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コメント 6

福耳

こだわりの多い理髪店。宮城の「アメリカン・グラフィティ」的文化を支えているんでしょうね。物は遠くから買ってこれても、リーゼントは現地に技能者がいないといけない。面白い、勉強になります。ありがとうございます。
by 福耳 (2007-12-17 18:36) 

pooh

> 福耳さん

ぼくも所属カルチュア的にそれほど遠くないので、気分よく愛用しています(いや、徒歩30秒の場所にある、と云うほうが愛用の理由としては大きいですけれども)。

考えてみると、理髪店・美容院の戦略って、まさに文化産業的な方法を取らざるを得ないですよねぇ。
by pooh (2007-12-17 21:57) 

福耳

自分の好みに近いので移動コストも許容して購買する、という動機と移動コストが安いので自分の好みからずれても許容して購買する、という相互作用で地域文化が偶有性を帯びる(初期条件の微かな違いが広域文化を変えたり、自己増強的にマニアックな店が一箇所に集積したり)、その可能性が昔から好きです。ポータブルでない商品が好きなのもそのせいでしょうか。
自分は研究に年代以外はほぼ全く数字を使わない人間ですが(ひどいですな)、これは実は非常に数学的分析に馴染みそうな現象ですよね。クルーグマンが一時期盛んにやっていました。

ちょっと最近疲れていて、なんかピンとはずれなコメントをしてしまっているかも知れません、ごめんなさい。去年の今頃もこんな感じだった気がしますが、ちょっと新しいバイト仕事のたびに「新しい説明枠組みを考える」自分って、確実に馬鹿な気がしてきました…。とほほ。
by 福耳 (2007-12-18 00:19) 

pooh

> 福耳さん

あぁ、そうか。特にサービス産業については、スコープの違いこそあれ(特定のサービスの)文化圏と経済圏は重なり合っているわけですよね。
ここで云う文化も経済も相対としてではなく個別の(ある事象やサービス個々の)ものとして捉えてますけれど、そうするとそれぞれの文化的・経済的要素の間に生じるインタラクションが、相対としての(文化面・経済面を包括する)地域文化を形成する、と云うようなお話なんだろうか。

都度枠組みから考える、と云うのは、効率から云うと手間がかかるかもしれませんね。でも(これってosakaecoさんのところのエントリを読んでいて感じたことだったような気がしますが)枠組みを先において考えるのは、深めることや成果を測定しやすくすることにはよくても、抜け落ちるものが生じうるような気もします。ぼくは学者ではないので無責任なことを云っていますけどね。
by pooh (2007-12-18 07:47) 

よろしければ・・

深夜理髪店、興味がありましてコメント入れました。よろしければ行ってみたいので店名教えてほしいのですが。よろしくお願いします。 まだあるのかな?
by よろしければ・・ (2010-12-03 18:49) 

pooh

> よろしければ・・ さん

店名は書きません。
ただ、五橋二丁目に、ぼくが描写したとおりのお店があります。気が向いたら、お探しになってみるのもいいかもしれません(たぶんすぐ見つかります)。
by pooh (2010-12-03 22:28) 

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