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演奏 [ガムラン]

ノンサッチ・エクスプローラーシリーズから出ているバリ音楽のCDのうち、最後の1枚を入手。


いや、別段ぼくはコレクターではなくてただの愛好者なので、コンプリートできて嬉しい、と云うようなことも特にないのだけれど。

「黄金の雨(ウジャン・マス)」と云うのはポピュラーな曲で、ぼくの手元にもいくつか他の楽団による録音がある。と云うか、手元に同じ曲の録音が複数あって、聴きくらべができる、と云う状況が少し珍しい。
ちょっと手元の録音を確認してみる。ここで触れたものだけでも、グヌン・サリによる演奏、ティルタ・サリ(ゴン・クビャール)による演奏、ヤマ・サリによる演奏がある。あれ? プリアタン周辺の楽団ばっかりじゃん。この地域のお家芸なのか。しかも後のふたつについては、どちらもチョコルダ・アリッ・ヘンドラワン氏が率いていた頃の録音だしなぁ。

今回買ったCDには演奏している楽団がどこなのか、どの地域にあるゴンによる演奏なのかが分かるような情報がいっさい記載されていない(ちなみにタイトルチューンもhudjan masと云うちょっと見慣れない表記がされている)。いつもはしないのだけれど、ちょっと聴き較べてみた。いちばん似ているのはグヌン・サリ。チューニングも近い(バリガムランのチューニングは楽器セット単位でそれぞれ微妙に違う)。うえに書いた「プリアタンのゴン・クビャール楽団に好まれる曲」と云う推測が当たっているのなら、このCDに収録されている演奏はグヌン・サリだと判断してもそう間違いはない気がする(それよりもなによりも、上記の楽団のなかでこのCDの音源が録音されたとされる70年代前半にすでにプリアタンにあったのはグヌン・サリだけだ。いや、グヌン・ジャティも存在していたんだけど、成り立ちが違うのでレパートリーはあんまり共通していない)。

で、このCDの録音を30年近く後になる上記のグヌン・サリのアルバムと聴き較べてみると、やっぱり古さが感じられる。低音もどおんと出ていてゴン・クビャールの醍醐味はちゃんと録りきられている気はまぁするのだけど、ちょっと険がある耳ざわり。それでもまぁ、この録音よりもさらに少し前になる同じノンサッチ・エクスプローラーシリーズのグヌン・ジャティよりもまぁ、くっきりした録音と云うことは云えるのか(とは云えこれはゴン・クビャールとスマル・プグリンガンの違い、と云うのもあるのかも)。安いのはいいのだけど、ぼく個人の見解としてはちょっとお勧めしかねるかなぁ。

ちなみに手元にある最新の「黄金の雨」の録音は、2006年のAUDIO BASIC誌夏号に付録でついていた、スタジオ プラン*プランの録音によるティルタ・サリのもの(オーディオにまるきり興味がないくせに付録目当てで買った)。これは上で挙げたようなゴン・クビャールのセットによるものではなくて、どうやらグンデルの桴(先が丸くて両手で持つ)をゴン・クビャールのガンサなんかで使う玄翁に似たかたちのものに持ち替えて、通常のスマル・プグリンガンのセットで演奏されたものだそう。ほかの楽団のどしゃ降りよりも、やっぱりいくらかあまやかな雨で、これはこれでいい感じです。
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