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いい試合 [みたもの、読んだもの]

オリンピックシーズンのフィギュアスケート世界選手権は搾りかすのようなもの、なんて云われることは多くて、まぁそれはそれで勝敗を競う競技と云う本質のひとつに鑑みれば正当な話ではあるけれど。でもやっぱり、観たいのはこんな「いい試合」なのだった。

去るひとたちが多いのもこのシーズンならではで。なので、忘れたくないことがいくつも。
ジェレミーの、深い内省までをも観るものに届けてくるような演技。トマシュの、ずぼらにはっちゃけているように見えて、根底に独特の品格を湛えた演技。カロリーナの演技にしかない、なんと云うか、雄大なエレガンス、とでも呼ぶべきようなもの。そして、鈴木明子。

町田樹と云うスケーターに対する興味が個人的にどうも薄くて、それはたぶん意図した完成形の枠組みを緻密に埋めていく、と云ったアプローチが気に喰わなかったからなんだろう、と思う。でもそれはそれで、きっちりと完成してしまえばちゃんと感銘も受けられるのだった。
あとは、小塚くんの復活を待つのみ。音楽から得たインスピレーション、ではなく、「音楽そのもの」を表現できる稀有なスケーターの復活を。

結弦はやっぱりジェーニャに似ていて。
心技体、と云う話をすれば、トップクラスの選手はそれがすべて高次元でバランスしているのは当然で、そのなかでの微細な配分の違いが個性となって出てくる、と云うことなんだと思う。それにしても、そのなかでここまで「心」が突出するのはさすがにふつうではない。自分の演技を客観視できる透徹した視点が共存していなければ、演技としてのかたちが整うかさえ怪しい。
そしてやっぱり、彼にはそんなクレイジーなスケーターでいつづけてほしい、とも正直思う。それにしてもなにが「意地と気合」だ。おだづなこの野郎っこ。

そして(逆説的な角度からだけど)はじめて見たように思う。真央の「強さ」を。

ユーリャも、ハビエルも、グレイシーも、素敵だった。よい試合でした。
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コメント 4

古原

おひさしぶりです。
とうとう世界王者ですね。なんだか感慨深くなって、思わずコメントを書いてしまいました。

今回の世界選手権には初日だけ参加してきたのですが、トマシュのショートでの喜びっぷりが見られただけでも十分満足でした。
ジェレミーもコストナーもそうですが、今季で引退してしまう選手たちが満足のいく演技をしてくれたことが何より嬉しかったです。
羽生選手、いい演技でしたね。オリンピックでの不完全燃焼は誰より本人が感じていたでしょうし、勝負師らしく演じきったフリーだったと思います。
(やりきった、という意味ではもちろん浅田選手も素晴らしかったのですが。)

余談ですが、ひとつ前のエントリーでの「喧嘩師」という表現がとてもしっくりきました。素敵ですね、喧嘩師羽生結弦。


by 古原 (2014-04-10 17:39) 

pooh

> 古原さん

ごぶさたしてました。

トマシュってなんでもできるんですけど、むらっ気って云うか、微妙に本番に弱いイメージがあって。うちのつれあいは試合のたびに「今回はよいトラ」とか「今日はだめトラ」とか云ってました。でも、どんな演技でも根っこに上品さがある、と云う点ではエヴァンと双璧だったかな、みたいに思います。
みんながいい演技を競ういい試合、と云うのが、やっぱり観ていて楽しいんですよ(ひいきの選手のライバルの失敗を喜ぶ心理、ってのが素でわかりません。なにが楽しくて見てるんだろう、とか思う)。
多くの選手が有終の美を飾ってみせた、良い試合でした。

フィギュアスケート、と云う競技の特性もあるんでしょうが、結弦の場合闘争心とライバルへの素直なリスペクトが綺麗に共存している、と云うのが大きな美質だと思います(ハビエルのクァッド・サルコウをまのあたりにしたくてオーサー門下に入った、って話も聞こえてきましたし。おまえらガチのライバルだろ、みたいな)。なんか、中身が少年ジャンプなんですよねぇ。

追い込まれて、そこから抜けた時に見せられる演技、と云うのがあるのかもしれません。荒川さんもそうでしたし、ひょっとすると、真央も。
by pooh (2014-04-10 22:52) 

古原

「よいトラ」「だめトラ」で笑ってしまいました。
本番に弱いイメージは最後まで払拭できなかったかもしれませんが、愛される選手ですよね。

>みんながいい演技を競ういい試合、と云うのが、やっぱり観ていて楽しいんですよ

本当にそう思います。
オリンピックシーズンだったということも大きいのでしょうが、特定の選手を批判する人はいまだに一定数存在するわけで。
ジェレミーやトマシュ(きっとコストナーのときもそうだったと思いますが)に対しての拍手のあたたかさも含めて印象に残る試合でした。

>闘争心とライバルへの素直なリスペクトが綺麗に共存している

真剣勝負のさなかで他の選手を応援できるというのは純粋にすごいことだと思います。
ハビエルと羽生選手、本当にいい関係ですよね。
常に全力な姿も少年漫画の主人公っぽいなあ、と考えたりします。結果がどうであれ限界まで出し切る、負けず嫌いなファイターらしい試合がこの先も見られたら嬉しいです。


by 古原 (2014-04-12 19:15) 

pooh

> 古原さん

会場で観るくらいの日本人ファンは、きわめて成熟したフェアなひとたちが多いように感じています。ぜんぜん自分の手柄じゃないんですけど、これってなんか誇らしい。

> ハビエルと羽生選手、本当にいい関係

ちょっとずぼらな印象のある天才肌と闘争心あふれるピュアな努力家、って取り合わせは、古今東西さまざまな物語のアーキタイプとして存在しているような気もします。
by pooh (2014-04-13 09:21) 

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